お祭り当日
キリストと関係がないお祭りを手伝うことになる。結果はどうであれ、神は常に最善を為して下さると信じて、前日は感謝の祈りを捧げた。
お祭り当日の朝、目を覚ますと雨が降っていた。
「もしかして中止?」と思ったが、開始時間には雨は止んでいた。
しかしお祓いが始まる時間が来ると再び雨が降り、お祓いは延期。
クリスチャンの自分はお祓いは参加しなくてもいいと言われていたので、自分は別の場所へ移動した。
遠目に見ていたが、やはり間接的に支援させられていることに変わりはない。ひどく気持ちが凹んだ。
午前中は模擬店の準備。一旦昼食に戻り、3時からの神輿に備え、2時前に会場に集まる。
昼食後に少し昼寝をして1時半に目を覚ますと、天気は快晴となっていた。朝の天気がウソのような、驚くほどの青空。
粛々と模擬店の準備を進めていると、状況が変わってきた。
2時40分 上空が暗くなり始め、2時50分に突然豪雨が始まった。
神輿は15分延期のアナウンスが流れた。
模擬店の中に入ってくるほどの豪雨。食材が濡れてしまうのでブルーシートでテントを囲った。
16時 神輿中止のアナウンスが流れた。
18時からの盆踊りに備えて、調理を始めた。雨は降ったりやんだりである。
会合である人が言っていた。
「雨は心配だ。しかし過去40年の中で、雨で中止になったことは一度もない。」
しかし、既に神輿は中止となっている。
17時30分 盆踊りも中止のアナウンスが流れた。
40年の歴史の中で、初めて夏祭りが中止となった。
継続?
ここからが問題で、役員が招集された。これからどうするか?何にしろ想定外のことが起きた。中止のノウハウがない。模擬店はどうするのか?食材は?
自分の模擬店のみ生の食材を準備していた。ここで調理をしなければ全て廃棄。
どうするべきか?
誰も決められなかった。なぜなら前例がないので決断できる人がいない。
各模擬店の責任者がそれぞれ決めてくれと言われ、決定権がこちらに委ねられた。
神輿もない。盆踊りもない。
だとすると自分が夏祭り参加を拒否する要素は、もう何もなくなった。
廃棄はもったいない。自分の模擬店のみ販売を継続することにした。
雨が降り続くなか、傘をさした人たちの行列ができた。毎年模擬店が出ることを知っている人たちが次々にやってきて、開店しているこの店にだけ並び、長い行列ができた。
わたしがやる
という声を思い出した。
神の語り掛けがあったかもしれないにも関わらず、自治会退会の方法まで調べたりしたことは、クリスチャンとして恥ずかしいことだったかもしれない。
役所に相談したり、弁護士に聞いたりしたことは、全てムダだったようにも思えた。
心配したことは何もなく、町内の人と交流もできた。
20時まで販売を続け、食材は完売した。
毎年祭りを仕切っている人がやってきて、「今年の楽しい思い出は、この店だけだな。」と笑っていた。
夏まつりの打ち上げは日曜日。当初の予定通り欠席した。
非難されても仕方ないと思っていたが、「今年の功労者がいないのは残念。」と労ってくれた人が多かったと、後から知った。
強引に退会しなくてよかったし、人の目を恐れる必要もなかった。
『神はどんな状況からでも祝福できるお方。』
と言っていた牧師さんがいたが、その通りだった。
自分の考えや主張よりも、主の導きを第一として従っていこうと思わされた出来事。
一連のことを振り返って主に感謝し、この町の祝福を祈りました。