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人身事故の記録 【初期対応】

もし人身事故を起こしてしまったら、自分は冷静に対処できるだろうか?


いつか万が一のために対処方法をネットで確認しておこうと思っていましたが、



それは突然やってきました。



年末の夕方6時。あたりは真っ暗。
車がギリギリすれ違えるくらいの住宅地の細い道。


自宅から300メートルほどの小さな交差点。


気が付くと自転車。


大音響とともに、ボンネットの上に人がいた。
そして道路に飛んでいった。





すぐに処置しなければと車から飛び出した。
取り返しのつかないことになった。


ぶつかった彼はすぐに起き上ってきて、自転車を起こして歩き出した。



「大丈夫です。」と言っているが


あんな大事故で大丈夫なワケはない。
事故後の興奮状態で状況がわかってないのかもしれない。


まだ若かった。学生の様子。


状況を確認しようと思うが、細い道で車を放置しては交通の妨害してしまう。
さらに細い路地の空き地に車を入れて、彼の状況を確認した。


近くで見ていた配達のお兄さんが、名刺とか名前を交換した方がいいですよとアドバイスをくれた。




大丈夫か?
どこか打っていないか?
頭は打っていないか?
首は大丈夫か?


と聞くが「大丈夫です。」としか言わない。
でも肋骨のあたりを手でさすっている。


本当かな?と思いつつ、もし翌日になって首や頭に痛みが出た場合、治療費を払わなくてはならない。
自動車保険は事故調書がないと出ないと聞いたことがある。今のところ何ともなさそうだけれど、一応警察を呼んでおくことにした。


警察を呼んでおきましょうかと彼に聞くと、わかりましたとだけ答えた。


110番して交通事故の旨を伝える。

受付の女性が「ケガ人はいますか?」と聞かれ、迷ってしまう。


一応大丈夫そうですが、痛いところはあるようですと答えると、また「ケガ人はいますか?」と同じ質問をしてきた。

どうやら「救急車は必要か?」という意味で聞いていると認識し、「いません」と答えると、次は住所を聞かれた。



電柱にある住所を答えると、近くに家はあるかと聞いてきた。表札を読み上げてくれというので○○さん宅の前と伝えると、今警察が向かっていますと言われ、電話を切った。



本当に痛みはないかともう一度確認。
道路に脇とふくらはぎを打ち付けたけれど大丈夫だという。




中学生だという。家は近い。こちらの自宅の場所を説明しておいた。


警察はなかなか来ない。
寒空の下、彼を立たせてまま待たせておくのも悪い気がした。
警察は少し大げさだったか。しかし賠償問題になった場合、支払える仕組みを準備しておきたかった。



しばらくの沈黙。

寒い。





加害者になってしまった。


10分以上たって自転車の警官が到着した。


後ろの白い箱から書類を取り出し、まず彼から確認。


ケガがないこと。自転車が壊れていないことを確認していた。


そして彼に状況を確認。


「自分がよく見ないで飛び出して、車とぶつかりました。」
と正直に説明していた。



警官は続いて車を見に来た。


「ああ、ここ凹んでますね。」と車体の横を指した。


車の横から自転車が突っ込んだのですねと言っていた。


どうやらこちらの過失ではないようだが、ぶつかった瞬間はどうぶつかったのか全くわからなかった。



少し冷静になって警官に、「こういうケースではやはり警察を呼んだ方がいいのでしょうか?」と質問してみた。


警官の答えは「ケガ人がいなければ、お互い名前の交換などで済ませても大丈夫です。」と言っていた。



その後、彼に「ご自宅を訪問して、ご両親にお詫びをしたい。」と申し出るが、「いや、大丈夫です」「本当に大丈夫です。」と言っている。


ケロっとした様子で本当に大丈夫のようにも見える。


警官の仲介のもと、名前と連絡先を交換し、この日は別れた。