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『アナと雪の女王』主題歌の25ヵ国語バージョン

ディズニー映画『アナと雪の女王』のテーマ曲"Let it go"の25ヵ国語(多国語)バージョンを聞いて、日本語ってなんだろう?と考えてしまいました。


"Let it go"を次々と別の言語で歌ってきますが、日本語だけ全く別の感じに聞こてしまうのです。
母国語だからでしょうか?




■音節という特徴

コメント欄を見ると、意外なことに日本語パートの印象はなかなかいいようです。
※訳はだいたいです。


"Especially Japanese part is so clear and so beautiful"
特に日本語のパートがクリアでとても美しい。


"This was amazing, and especially the Japanese part." 
これは素晴らしい。特に日本語のパート。


"the japanese part really fits the hand movements and what she's doing"
日本語のパートは手の動きとピッタリ合っている。


などという記述がありました。

中には日本語のところが「変な感じ」とかもありましたが。


面白かったのは、外国人からの質問で、

『日本語は"Let it go"の繰り返しで、なぜ一回目と二回目の発音が違うのか?』
というもの。

英語バージョンだと"Let it go" "Let it go"と2回繰り返されるパートが日本語では


"arino" "mamano" (ありのままの)に替えられている。


普段は意識されない音節(syllable)の違いが、混乱を招いているようだ。

Let it go の音節は3つです。
① ② ③


「Let it go」で、7文字に見えますが、音としては3つと認識されている。英語版は3つの音節の中に沢山の意味を盛り込めますが、日本語は基本的には一文字/一音節。
(「しゃ」など拗音は2文字ですが)
3つの音節で表現できるのは


あ り の ・・・の、3文字まで。
① ② ③


よって、Let it go の意味を表すには足りません。
2回目の繰り返しの箇所も使って、6音節で意訳された。


一音節/一文字なので少し間延びした印象も受けますが、子音の少ないシンプルさが「clear」という印象に繋がってるのかもしれません。


■声のトーン?

「ありの〜、ままの〜・・・」の箇所を海外出身の人にも聞いてもらったところ、やはり耳に残るようです。
日本で暮らしているので日本語を拾いやすいのかもしれませんが。


そこで思い出したのが『声のトーン』。
日本で暮らしていると全く気が付かないですが、日本に来る前に「日本人は高いトーンで話す。」「声を高くすると日本語っぽくなる。」と言われたことがあるそうです。


これには少し思い当たるフシもあります。
海外のドラマや映画を見てた時、急に副音声(外国語)に変えたら声がものすごく下がって驚いたことがあります。
この女優さんはこんな声だったのか、とイメージが変わるほど。もしかすると声のトーンも日本語の特徴なのかもしれません。


■特徴

この歌の日本語箇所は個人的に気に入ってます。
多言語で歌い繋いでいく中で、「いかにも日本語」という存在感があっていいと感じました。

そこだけ異質な感じに聞こえますが、「あ、日本語。」とわかりやすいのが好印象です。


そして海外の人の印象に残るのも、こういう少し異質な特徴かもと改めて感じます。


"The Japanese voice sounds different"
日本語の声には違う響きを感じる。


という記述も目にしましたが、それは悪い印象ではないようで、同時に

"I like the Mandarin, Japanese, Serbian, Hungarian, Korean, Cantonese, and Norwegian. "
とも書き込んでいました。


youtubeのコメント欄で、「日本語のパートがいい」と書いてくれてる外国人の方達も、「なんか違う感じ」を楽しんでくれたのだろうと思います。
周囲と違ったとしても、大事にしていい部分もあるのだなと感じました。